ミシンの種類

自分に合ったミシン選び

自分に合ったミシンって?
ミシンを購入する時、費用はできるだけ節約したいものです。
だからと言って買ってから縫いたいものを縫うのにミシンの性能が追い付かなかったり、対応したアタッチメントが無かったり、うまく縫えなかったりしてはせっかくのミシンも使わなくなってしまいます。
逆に、せっかく付いている機能も使わず、もっと安いミシンでも良かったという場合もあります。


ミシンを選ぶ時は。。。
どんな用途(目的)でミシンを使用されるか。
どんな素材(生地)を縫いたいか。
そのためにどんな機能が必要か。
そうすると、具体的にお客様に合ったミシンが定まってくると思います。

家庭用ミシンとは
家庭用ミシンとは、家庭で使われるミシンすべてを指します。
その為、本ページでご紹介するミシンは全て家庭用ミシンに分類されます。(※袋とじミシンを除く)

一般的に使用される家庭ミシンは、主に”電動ミシン” “電子ミシン” “コンピューターミシン” をまとめて家庭用ミシンと呼ばれることが多くなっています。

ここでは後者(電動ミシン・電子ミシン・コンピューターミシン)を家庭用ミシンとして説明します。
家庭用ミシンは左右に振れる針と釜で2本の糸を絡め直線縫いとジグザグ縫い、そして送り歯で生地を前後に動かすことで様々な縫い方ができるミシンです。
ハンドクラフトをするために必要な縫い方が一通り備わっているオールインワンタイプのミシンが家庭用ミシンです。
家庭用ミシンのほとんどの商品には一般的な縫い方が搭載されてい
るのが特徴です

◇電動ミシン


モデル例:HZL-290-SHZL-40S、HZL-40NS

単純な構造のミシンで、内臓のモーターで動かしていくだけのミシンです。
ミシンの速度はフットコントローラーの踏み込み加減で調節し、電子制御などはされていないため縫い終わりの針停止位置は一定しないので止める度に針の停止位置が変わります。
縫製メニューは備え付けのダイアルを回してメニューを切り替えていくタイプです。
軽量化されたコンパクトタイプでかわいらしいなどで、人気の有るミシンです。

◇電子ミシン


モデル例:HZL-40、HZL-40DX、HZL-J50

手元操作でミシンのスタート・ストップができて、縫製のメニューをダイアル式で切り替えるタイプが電子ミシンです。
針の上下運動を電子回路により制御が可能なミシンです。手元でミシンのスタート・ストップの操作が行えて、ミシンの速度も電子制御によるスピードコントロールができます。作動後に針の停止位置は必ず決まった高さで止まります。
比較的コンパクトで、電動ミシンと同様かわいらしいデザインのモデルも多く販売されています。
価格と機能から使い勝手も良くお手頃の商品です。JUKIから現行モデルは発売されていません。

◇コンピューターミシン


モデル例:HZL-EX7、HZL-FQ65、HZL-71HW

ミシンのメニュー切り替えがボタン式のタイプがコンピューターミシンです。現在活躍しているミシンの主流になっているタイプです。針の上下運動、振り幅と縫い目長さをマイコン制御しています。自動糸切り機能などもコンピューターミシンの機能です。
ワンタッチ、または表示画面でメニュー番号を合わせると縫い模様が変更でき、縫い模様の種類も豊富です。キャラクターなどの大型刺しゅうができるものもあります。
押え圧の調整や自動糸調子、自動糸切り、アタッチメントの豊富さ、その他の便利機能などユーザーのニーズに合わせて様々な付加価値を追求する事の出来るミシンです。

職業用ミシンとは
直線縫い専用の本縫いミシンです。家庭用ミシンよりも縫い目がキレイで様々な生地にも対応して縫い上げることのできるミシンです。
頑丈なボディは耐久性に優れており、工業用のミシンで使用するアタッチメント(押えやバインダー、針など)に対応しているので豊富な選択肢から、素材に合った縫い方でプロの様な仕上がりを実現します。
職業用ミシンは直線縫いしかできないのにミシンのハンドメイドに慣れた方が、みな職業用ミシンを選ばれるのかご紹介します。


職業用ミシンのここがおススメ

◇キレイな縫い目を実現


職業用ミシンは直線縫い(本縫い)の機能に特化したミシンです。
工業用の本縫いのミシンと比べて持ち運びができる小型なボディでも、工業用ミシンの技術がしっかりと継承された機能を備えたミシンです。
本体の耐久性と縫製速度、貫通力にも優れていて糸の調子や押え圧の強さ調整、縫製条件に合わせたアタッチメントや針に変えるなど、カスタマイズすることで家庭用ミシンではキレイに仕上げられない生地や厚物から薄地の生地、伸縮性のある生地など悪条件な素材の縫製にも最適な条件で縫製する事ができます。

◇快適な力強さ


職業用ミシンは工業用の本縫いのミシンと比べて持ち運びができる小型なボディでも、工業用ミシンの技術がしっかりと継承された機能を備えたミシンです。
本体の耐久性と縫製速度、貫通力にも優れていて糸の調子や押え圧の強さ調整、縫製条件に合わせたアタッチメントや針に変えるなど、カスタマイズすることで家庭用ミシンではキレイに仕上げられない生地や厚物から薄地の生地、伸縮性のある生地など悪条件な素材の縫製にも最適な条件で縫製する事ができます。

職業用ミシンは頑丈で耐久性の強いボディと力強いモーター、そして針の長いストロークからの強い貫通力など高い能力を持ったミシンです。
その為、家庭用ミシンでは止まってしまい縫えない厚地でも楽々と縫い上げることができます。
家庭用ミシンの2倍近くの速度で縫い上げることができますが、縫い目のキレイさはそのまま再現されます。

◇初心者からプロユースまで
職業用ミシンは難しいと思われがちですが実は操作はとても簡単で、家庭用ミシンよりも簡単に使用できてしまいます。


ボタンや下準備の手順が少なく、使い方も単純で家庭用ミシンの様なメニュー設定などが有りません。
電源を入れるだけで直ぐに縫い始めることができるのが職業用ミシンです。
糸調子や押え圧にはメモリが付いているので初心者の方でもメモリを基準に標準値に合わせる事で縫うことが簡単にできます。



職業用ミシンは、作業のしやすさが追求されている工業用本縫いミシンと同じ様な構造と使用感をそのまま再現しています。
とても効率よく快適に縫製を楽しんでいただけるミシンです。
工業用本縫いミシンと同じ釜の機構を使用しているため、高速スピードで縫製しても綺麗な縫い目を見せてくれます。


また、工業用本縫いミシンで使用できる押えなどのアタッチメントや針が使用できるので素材の条件や環境をユーザーの希望に合わせて無限にカスタマイズして使用することができます。
使い込んでいくほど、カスタマイズのバリエーションも増やすことができプロユースの方でも満足して使い込んでいけるのも職業用ミシンの醍醐味のひとつです。
ユーザーの能力と一緒にミシンの使用幅も広がっていくので、職業用ミシンはユーザーと一緒に育っていくミシンと言えるかもしれません。

ロックミシンとは
生地端をメスで切りそろえながらかがっていくミシンの事で、洋服づくりに欠かせないミシンの一つです。
前に紹介した家庭用ミシンとは違い、2本~4本の糸を器用に絡ませて美しい編み目の様な模様を作り上げてくれるミシンです。
家庭用ミシンでも裁ち目かがりという縫い方が有りますが、ロックミシンは主にニット地の縫製で大いに活躍してくれるミシンです。ロックミシンと家庭用ミシンの違いをご紹介します。


ロックミシンのが必要な訳

◇かがり縫いってな~に?


カットした生地の端はそのままにしておくと、ほつれてしまい糸がだらしなく出てしまいます。
生地のほつれ止めの役割を果たしてくれるのが、かがり縫いでオーバーロックとも言われます。
また二枚の生地の縫い合わせにも使用される縫い方で、洋服づくりに欠かせない縫い方の一つです。

◇生地端のカット


家庭用ミシンでは生地端をガイドに当てて生地をかがっていきます。
しかし、しっかりと生地を当てておかないと上手なかがりの縫い目を作ることは出来ませんし、縫い合わせる場合2枚の生地のカットラインが同じでないと、これもキレイな仕上がりにはなりません。
ロックミシンにはメスというハサミの様な役割をする部位が装備されていて、余分な生地端をカットして切りそろえながら縫うことができます。その為何度縫ってもキレイにそろった生地端のかがり目ができあがるのです。

◇縫い方
2本の糸を絡ませる家庭用ミシンの縫い方は、どちらかというと糸を締め付けてしまう縫い方です。
伸縮性の高いニット生地を縫うと生地を伸ばした時に糸が切れやすい縫い方になってしまいます。


ロックミシンの縫い方は、イメージとしては編み込んだ糸を生地の上に乗せていく様な縫い方になります。
縫い上げるというよりは、ふんわりとした糸が乗っているかの様なキレイな模様に仕上がるのがロックミシンの縫い目の特徴です。
その縫い模様は使う糸の数でかわいらしく変化します。

ふんわりとした縫い目は、伸縮性の高いニット生地に相性がとてもよく、編み目の様な縫い目は生地を伸ばすと柔軟に生地に合わせて伸びるので糸も切れにくく、ロックミシンの縫い目はニット生地に多様されます。

◇縫い目と用途
ロックミシンの縫い目とその用途をご紹介します。
ロックミシンは針の数や糸の数、糸の素材を変更する事で、用途に合わせた縫い方ができます。
※ミシンによって対応できる範囲が異なります。


〇1本針2本糸(オーバーロック)
布帛生地を中心に生地1枚の端を縁かがり縫いする場合に使用されます。


〇1本針3本糸(オーバーロック・巻きロック)
布帛生地を中心に生地2枚の縫い合わせや巻き縫いなどに使用されます。



〇2本針4本糸(オーバーロック)
ニット生地を中心に生地2枚の縫い合わせなどに使用されます。

 

〇2本針4本糸(インターロック)
布帛生地などで縁かがりと縫い合わせを同時に行う事ができる縫い目です。

3本糸のかがり縫いの脇をチェーンステッチで縫い上げます。
伸縮する箇所を丈夫に縫い上げるので特に袖や脇など、伸縮性が必要な部分に使用されます。


〇その他の縫い方、応用

◇差動送り機能
差動送り装置とは、前と後ろの2枚の送り歯の運動量を変えることで、ニット生地や裏地などの伸縮素材を伸び縮みなくキレイに縫うための生地送り装置です。

■差動送り装置なし

布帛生地を中心とした、伸縮性の少ない生地端の処理に使用します。

■差動送り装置付き
ニット生地などの伸縮素材や布帛生地のオーバーロックに使用できます。
意図的にギャザー寄せ縫いや、袖山のいせ込みなどの応用もできます。
 

カバーステッチミシンとは
ニット系の洋服を作るなら絶対に欠かせないミシンです。
ミシンでTシャツなどを制作して、糸がブチブチブチッと切れる音など経験有りませんか?
それは素材に合わせた縫い方をしていないからです。
ニット系は伸びる生地が多い為、当然直線縫いの様に糸をしっかり締めてしまっては着衣する時など、素材が伸びてしまった時に切れてしまいます。
そんな素材を丈夫な縫い目でサポートしてくれるのがカバーステッチミシンです。
体にぴったりの服も伸縮系の素材が多い為、服を自作するレイヤーさんにもおススメのミシンです。


なぜカバーステッチを使用するの?

◇縫い方・縫い目
家庭用ミシンや職業用ミシンは直線縫い(本縫い)という縫い方で、針糸と釜と呼ばれるパーツで2本の糸を絡ませて縫いあげます。2枚の布をしっかりと縫い合わせる事に適していて引き締まった縫い目になります。
裏表両方からも見た目は同じ様に仕上がります。


カバーステッチミシンは、環縫いという縫い方で、針とルーパーと呼ばれるパーツでロックミシンの様に編み込むように針とルーパーの糸を絡めて縫い上げます。
直線縫いと比べ、縫い仕上りが少しふわりと柔らかい仕上がりになります。
裏表どちらから見ても同じに見える本縫いに対し、環縫いは表から見ると直線縫いの様ですが、裏側は糸が模様の様に見えるのが特徴です。

◇カバーステッチってどんな時に使用するの?
前記のふわりとした縫い目から、伸縮する素材に強く切れにくい縫い目はニット素材やメリヤス肌着などの補修、飾り縫い目的などに多様されています。
Tシャツ・トレーナー・スポーツウェアや水着などの裾、袖口、衿などで見かける片面飾り縫い(表面は複数本の直線縫いの様に見えて、裏面はロックミシンの様な縫い目)はカバーステッチミシンの縫い目です。


本縫いの様に縫い合わせるチェーンステッチ(表は直線縫いの様に見えて、裏は2重に重なった鎖の様な縫い目)はキャミソールの肩紐付けや、シャツや毛糸の手袋などの縫い合わせにも使われています。

◇差動送り機能


ロックミシンで紹介した差動送りの機能はカバーステッチミシンにも備わっています。
差動送り装置とは、前と後ろの2枚の送り歯の運動量を変えることで、ニット生地や裏地などの伸縮素材を伸び縮みなくキレイに縫いあげてくれる必須の機能です。

刺繍用ミシンとは
家庭用ミシンに刺しゅう機能がプラスされたミシンで、ミシンが自動で美しい刺しゅう(縫い模様)を作ってくれます。
バッグや小物や洋服に刺しゅうを入れるだけで、自分だけのプチオリジナルな作品が仕上がります。
パソコンからデータを取り込み、ミシンにインプットする事でお好みのキャラクターからクラフト模様まで、様々な刺しゅう模様を作品に作ることができます。
お好みの絵や模様を取り込んで刺しゅうデータにできる「刺しゅう用ソフト」や「刺しゅうデータ」のダウンロードサービスにも対応のミシンも多く、刺しゅうの幅が無限にひろがります。

刺繍ミシンはこんなこともできるよ

◇サイズや配置も自由自在

拡大・縮小機能
刺しゅうエリアに収まる範囲で模様の拡大縮小のサイズ指定が可能です。
刺しゅう編集機能
刺しゅうエリアの範囲内で、任意の位置に絵柄を移動させたり組み合わせることが出来ます。
回転・反転機能
模様を回転させたり、反転させて向きを変えることができます。

◇無線LANでワイヤレス送信

●データの取り込み

パソコンで作成したデータなどを無線LANでミシン本体に送信したり、USBメモリーからのデータ呼び出しにも対応しているので作成できる刺しゅう模様の数は無限に広がります。

◇スマホアプリで広がる楽しさ


スマホやタブレットで、刺しゅうデータの簡易的な編集や作成ができます。
作ったデータは無線LANで本体に転送することができます。
外出先のちょっとした時間でも気軽にお好みのデザインを作成できます。

◇その他のミシン

その他にも、いろいろな用途のミシンが有ります。
ご紹介しているのはその中でも一部です。

◇複合機


ロックミシンとカバーステッチミシンの機能を備えたミシン。
1台で2つのミシンの縫い方ができる優れものです。
ニット系のハンドメイドをされる方にはとても便利な上級向けのミシンです。

すくい縫いミシン

◇すくい縫いミシン


一本糸で縫いこむ単環縫いなのでほどく時も簡単です。
スカートやパンツなどの裾まつりを行うための、職業用すくい縫い専用ミシンです。

◇袋とじ縫いミシン


一本糸で縫いこむ単環縫いなのでほどく時も簡単です。
樹脂ペレット材料袋など、毎日開け閉めして使用する袋口の仮閉じや工事養生シートや人工芝の縫い合わせにも使用されます。